オリジナルロゴ制作

ソトカン制作所ロゴ

ソトカン制作所のロゴが決定した。

これがソトカン制作所としての、私とデザイナーの初の共同作業となった。

個人事業主として働くフリーのプランナーやデザイナーも、自分達の「商品」を持たなければ生き残りは難しいとの問題意識から始まった今回のプロジェクトだが、最初はフリーペーパーのようなものを作ることが出来るかどうか?というところから始まった。

しかしお金の問題や役割分担の面で、後々ややこしくなることは目に見えている。そもそも、誰が動くのか?というところで、それぞれが背伸びをしなければならないようなことは最初からやめようということにした。

代わりに出てきたのが、WEBサイトでの情報発信だ。「人と地域を主人公としたメディア」をコンセプトとして、ぼちぼち準備を進めている。

しかし、そのコンテンツの集め方や、収益化への道を探るうちに、この媒体づくりだけでは長期的に継続していくことは困難なのではないか?という壁にぶつかるのもそう時間のかかることではなかった。

それでは、今バラバラに動いているものを1つに統合して、共同で仕事を請け負うことは、今のうちからやっておいたほうが良いのではないか?ということになって取り組み始めたのがこの個人事業主同士の共同事業としての「ソトカン制作所」だ。

提供するサービスは、名刺やパンフレットなどの印刷物や、看板、ポップなどのデザイン制作。それからウェブサイトの企画と制作だ。柏原、八尾、東大阪という国道170号線沿線の地域に密着した活動が出来れば良いという、2人の一致した意見があったので、ネーミングも地域性が感じられるものが良いと思った。また、よくあるデザイン事務所などとは違った雰囲気を打ち出したいという思いがあったため、名前を聞いた人が「クスリ」と笑みを浮かべるようなものが良いなとも思っていた。

最初は、「河内地方」だから「河内音頭」とひっかけたような名前が良いと思って、「カワチ音頭」とか「カワチ温人」とか言っていたが、どうもコンセプトが浮き上がってこないということと、実際に製造業で「河内温度」という名前の企業があることがわかったため撤回。

英語やヨーロッパ系の単語を使うつもりは最初からなかった。

ご存知の通り、東大阪、八尾、柏原といった地域には、工場が沢山あって物づくりが盛んな地域だ。そういった地域性も打ち出して生きたい。
それでいて、名刺や、POP、ウェブサイトなどを作るんだなということを、そんなに多くの言葉を使わなくてもわかる名前。。。


などと色々考えていたら、製造業の会社に使われる「製作所」という言葉が思い浮かんだ。私たちの場合は、デザインやコピーなどを作るのだから「製作」ではなくて「制作」だ。だから「制作所」で良いんじゃないか?と思ったら、「柏原制作所」「東大阪制作所」「河内制作所」などという名前が浮かんできた。

だが、どれも息苦しい字面だなと思う。ネーミングには「ん」の音もあったほうが良いよな、などという細かいこだわりももたげてくる。

色々手帳に書きなぐっていたら、ふっと浮かんできたのが、国道170号線の渋滞の風景。柏原の自宅から石切のデザイナーの事務所まで行くときに必ず通る道だ。普段は「外環」という名前で呼んでいる。

「外環か。カクカクしてるなあ、ソトカンでは?」

と思って書いたのが、


ソトカン制作所


という文字。

そこで、それをデザイナーに話すと、最初はポカンとしていたが、徐々に、我が意を得たような表情となり、ネーミングの問題は解決した。

そこで、ではとりあえず名刺を作ろうということになって、デザイナーは頑張ってくれ、ロゴ案をいくつか作ってくれた。最初は、フォントを少しいじったくらいのもの。

私自身も、そこに当面の間は拘るつもりはなかったが、ある日取材で訪れた大阪市内の製造業を営む老舗会社のロゴが目にとまった。およそ100年の歴史を持つ会社で、いつから使っているのかわからない、と取材に応じてくれた専務と社長は言った。

その取材記事を書き終わって、名刺をしまおうと思って、改めてロゴを見てなんとなく、

「こういう感じ、どうかなあ」

とデザイナーに言ったのがきっかけで出来たのが、頭に貼り付けたロゴ。
デザイナーがほぼゼロから作ってくれたものだ。

その名刺に刷ってあったロゴをかなり真似てはいるが、カタカナと漢字を組み合わせたことで、結果的にオリジナリティのあるものになったと思う。

三ツ矢サイダー

みたいではあるけれど。

ソトカンという肩の力が抜けた語感が上手く表現されていると思う。