日曜日の日本

昼間、家でルーチンワークの途中、一息ついた際に、杉浦日向子先生の漫画が読みたくなった。
真っ先に目についたのは、ちくま文庫の『合葬』。手に取ってパラパラとページをめくる。あっけらかんとしたラストの一コマが好きだが、そのあっけらかんさが余計にもの悲しさを漂わせる。そのページをめくって次のページを見ると、先生ご自身による後書きである「日曜日の日本」のタイトルが目に飛び込んできた。わずか2ページの文章であり、ここには「近世は日曜日である」と言った人がいるということが書かれている。

藤村が「夜明け前」を著したように、近世つまり江戸は<暗黒の時代>のように思われがちです。芳賀徹氏はこれに対し、近世が日曜日であり、近代=明治維新は<月曜日の夜明け>だとたとえています。私はこの言い方がとても好きです。(「日曜日の日本」より引用)

「こういう言い方がとても好きです」 と言う杉浦日向子先生のセンスが、私は大好きなのである。 それはさておき…。

この論に従うなら現在は何曜日だろうか、と考えてみた。バブル期の終りの端っこの時期に学生だった私は、当時の時代の空気を、金曜日の夜のどんちゃん騒ぎのようなイメージで記憶している。すると今頃は、昨夜のどんちゃん騒ぎで飲み過ぎたことによる二日酔いがだんだんと冷めてきてようやく我を取り戻しつつある土曜日の午後といったところか。頭も身体も本調子に戻るにはもう少し時間がかかるかも知れない。