勘違い?

個人で仕事を始めて、いきなり世間の厳しさに直面し、さて、これからどうしようかと思い悩んだ末に、出くわしたのがライターという仕事でした。ある東京のベンチャー企業さまが、大阪に営業所を開設して、地元で企業取材ができる人を探していたタイミングで、運よく拾っていただけたという経緯でのことです。
この仕事、つまり、人様に話を聞いて文章を書く、という仕事なら何とかできるんじゃないかと思ったのは、過去にマーケティング調査の会社で働いていた際に、「元気のある店」を調査して報告書をまとめるというお役所の仕事を担当した時に、話しを聞かせていただいた商店主の方々から「話しやすくてよかった。話を聞くの上手ですね」なんていうお世辞を言われた経験(もっとも、その逆でボロクソに打ちのめされたこともあったのですが…)があったこと、それと、その後営業として勤めていた編プロの社長から退職後に「お前の文章も実は悪くなかったで」と言われた(在籍時に言ってほしかった)こと、この二つの経験があったからです。

実際にやってみると、しかし、ライターとして生計を立てることの難しさを改めて知ることになるのですが、今なんとかかんとか生き延びることを許していいただいているのは、皆様のおかげとしか言いようがありません。なんとかかんとか食っていけている状況が、「なんとかいけるかも」のいけているという状況なのかどうかはわかりません。景気の上昇傾向(?関東は上がっているとのことです)とともにお仕事をいただける機会が増える中、毎日のようにこの仕事の難しさを、ひしひしと感じています。

どんなに準備していっても思ったようには進まない取材、そして、その結果もがき苦しむことになるライティング。
それでも、お客様に初校を提出して「思った以上」と言っていただけたり、「さすが」とおだてられたり、そんなことが、まだまだやれるかも、という感覚を維持してくれています。

ただでさえ後ろ向きな性格の私。それを知っているため、常日頃は、振り向くな、前を向け、などとできるだけ振り向かないように心掛けてはおります。が、本日は、ちょっと原点を見つめてみました。