映画『めぐる』観賞記

東京・青山にある東京ウィメンズプラザホールで開催された映画『めぐる』の完成上映会に行ってきました。
こちらにも感想を書きましたが、僕にとっては、とても面白かったです。
映像の美しさと音の使い方が印象的で、まず、ポン、ポンという木版を反物に押していく音、それから、染めた染料を生地に定着させるために、蒸し器で蒸しているときの「プシューッ」から、反物を濯いでいる「バシャバシャバシャッ」、そして、水の中を泳ぐ反物の映像のバックに流れる音楽、この一連の流れが印象的でした(って書いたって、見てない人にはわかりませんけど。笑)
もちろん、「職人の生き方」というテーマ自体もちゃんと伝わってきて、共感を覚えました。

もうどこにも無いような場所で
誰もしなくなったことに
夢中になる「職人」という生き方

とチラシには刷ってあって、角度をずらすと偏固な職人像にも思えるのですが、舞台挨拶にも出てこられたこの映画の主人公藤本義和さんの語り口からは、ご自分の仕事や人に対して謙虚に誠実に向き合う姿勢を感じました。
江戸小紋の修行の中で、ある1枚の古布と出会い、そこから「木版染め」に没頭する日々が始まったといいます。「やってみるか?」とその布に問いかけられたといいます。「やってみるか?と問いかけられているような気がした」という、この「気」とはどのような感覚なのでしょうか?とても興味深いです。

ぜひ、関西でも上映して欲しいです。東京へ見に行く前にメールで問い合わせたときには、「関西での上映は全く未定」との回答でしたが、どういう条件が揃えば、関西での上映が実現するのでしょうか?


※この写真は、帰りにぶらついた渋谷マークシティの裏側を撮ったものです。映画とは無関係。