交通沈静化(トラフィックカーミング)

昨日、エキサイトのカーシェアリングの記事について言及する日記を書いたら、アクセス数が急に増えました。ちょっと興味が高まって、再びテクノラティで「カーシェアリング」について触れている記事を検索したら545件の記事がヒットしました。しかし、これらの多くは、エキサイトの記事がアップされる前に書かれているものが多いようです。
全ての記事に目を通すことは出来ていませんが、賛同する意見と反対する意見と両方見られます。どちらかというと肯定的に捕らえている方の方が目立つように思いますが、賛同できない意見として、「自分の暮らす地域は公共交通機関が発達していないからマイカーは必需品」というものがありました。
でも、このカーシェアリングは、人口密度が高く交通量の著しく多い都市圏でこそ生きる仕組みだと思いますし、そういう都市圏だからこそ生まれた発想なのだと思います。

さて、これと関連した話で、「京都に路面電車が復活するらしいよ」という話を聞いたことがあります。市街地に入ってくるマイカーを規制して、市街地での移動はこの「路面電車」でしてもらう、というものですがLRT(Light Rail Transit)というものらしいです。やはり欧米で生まれ、日本でも各地で導入が検討されているようで、堺市の臨海工業地帯の一角で安全評価の実験をしているとのこと。

従来の路面電車と違う大きな特徴は、

低床でバリアフリーの車両で、振動も音も少ない。また2本のレールのものが一般的だが、ここではトランスロールという1本の案内軌道を設置、車両の重さはタイヤで支えている。このため、トラックが走れる道路であれば走行できる。真ん中のトランスロールはガイドなので、2本のレールを引くよりは簡易で建設費が安い。

という部分かなと思います。

このLRTを使ったもの以外にもバスや電車などの公共交通機関を使ったパークアンドライドの取り組みは全国各地で見られるようです。

こういった“交通沈静化(トラフィックカーミング)”のシステムづくりについては欧米では古くから模索されてきたようです。日本でも、大阪府豊中市の事例などが本や雑誌で報告されているのを読んだことがあります。

少々古い資料ですが、手元には、

  • 国内の例
    • 大阪・豊中<交通社会実験>(風土社『まちの雑誌Vol.6』)
  • 海外の例

がありました。ここに書いてある事例はいずれも、都市域のマイカーの交通を制限して、公共車両の利用を促すものです。
かつての交通行政は、需要に供給をおいつかせようとするインフラ整備が主でしたが、道路建設には時間もコストもかかってなかなか進みません。そこで、反対に交通量の総量をコントロールする「交通需要マネジメント」という考え方が注目されるようになったようです。

この「交通需要マネジメント」については、インターネット上でも紹介されています。以下にいくつかのサイトを揚げます。

広島市「新たな交通ビジョン」用語集
交通需要マネジメント
北部九州圏都市交通計画協議会用語集
自動車からの排気ガスについて考える